変性意識というと、特別な瞑想状態やドラッグ体験のようなものと
とらえられがちですが、変性意識は深い浅いの違いがあっても
誰でもふつうに体験しているものといわれています。
この変性意識(ASC:Altered State of Consciousness)は、
チャールズ・タートという心理学者が考えた概念で、
かれは眠りや酔っ払っているときの意識状態も変性意識ととらえています。
しかし変性意識については、統合医療の分野で活躍している
アンドリュー・ワイル博士が1975年に発表した解釈が
わかりやすいと思うので、ここに要約して紹介します。
・人間は通常の意識以外の状態を体験しようとする衝動を生まれつき持っている
・本人の自覚があるかないかに関わらず、じつはだれもが他の意識状態のなかで多くのときを過ごしている
・軽い変性意識状態と深い変性意識状態には質的な違いはない
・意識的に変性意識状態へ入ることを学ぶことには大きな価値がある
つまり、人はもともと変性意識状態を好み、じつは日常的に体験している。
変性意識の状態の深い、浅いに質的な違いはなく、
自覚的に 変性意識状態へ入ることには価値があるということです。
そこで、アウェアネスアート研究所で開催しているワークや「Theディープ座」では、
この変性意識状態を作りだすことを大事にしています。
変性意識状態でいると有意義な洞察を得やすくなるからです。
そもそもぼくが変性意識というものに興味をもったのは、
音楽をやっていたことと関係があります。
最初、自分ではそれを「意識のモード」とよんでいたのですが、
音楽や、ある種の音というものは、確実に意識のモードを変える
働きがあることがわかったからです。
「こういう雰囲気とこういう音やこういうリズムを組み合わせると、
より深い意識状態になる」ということを体験的にとらえていたのだと思います。
そうした経験を「Theディープ座」ではフルに活用し、
変性意識的な場の生成と、場のホールドを行っています。
世界各地のシャーマニズムでも、呪術的世界に入るための
重要な道具としてドラミングを使っています。
また日本の神道でも、儀礼のときに鈴をシャーンと鳴らすと、
それだけで一気に神聖な気配を作りだしたりたりしています。
それと同じような効果を演出するため、ぼくも音を多用します。
変性意識は、視覚情報、触覚情報、言葉がけによる思考のゆらきなど、
さまざまな方法で生成されますが、そのなかでも音は変性意識を生成する
とても重要な要素の一つなのです。
アウェアネスアート®研究所 主宰 新海正彦
株式会社 アクロアシス
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